(2)「人間の内面を描いているので、ここまで心を打つものになっているのだなと思います」映画『サブスタンス』を怪談作家・梨はこう観た - (Page.5/10)

 
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時間が足りな過ぎて、その5億年という時が魅力に感じてしまうんですよね。少し話は変わりますが、以前私が「行方不明展」※という展示に関わったのですが、「ここではないどこかに行きたい」という人のための展示でした。死にたいとまではいかないけど、ふらっと消えてしまいたくなる欲求を持っている人って結構いるだろうなと。異世界転生モノが大人気なのも、自分の記憶を持っていながら全然違う世界に行けるというところが魅力的でもあるのだと思いますし。ある種の現代的な逃避願望という点でも『サブスタンス』の描写は徹底しているなと。「本当の自分はこうじゃないんだ」「こうだったら、上手くいくのに…」という心理描写が絶妙ですよね。

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